2007年9月17日月曜日

若冲とその時代@千葉市美術館


一度行ってみたかった千葉市美術館と、去年の今ごろ行けずに悔しい思いをした若冲の組み合わせ。最終日になんとかすべり込めた。

せっかくだから同時開催の「都市のフランス 自然のイギリス ~18・19世紀絵画と挿絵本の世界~」も覗く。食わず嫌いをしていたミュシャと、モネの初期は盲点だった。他にも当時の風刺雑誌で活躍したオノレ・ドーミエや、イギリスの挿絵画家ウィリアム・ニコルソンなど収穫も多かった。フランス・イギリス・ヨーロッパ全体の時代背景や産業革命の周辺なんかが頭に入ってるとまた違った見方もできたんだろうと思う。

若冲の方だけなら200円(学生150円)で見られるのだが、いやいや全く内容と釣り合っていない。第一部から応挙、芦雪、景文、蕭白らの代表的な作品がズラリと並び、しかもこれらの大半がこの美術館の所蔵だそうだからまた驚く。同時代の絵師たちと若冲の連関という今回の大きな趣向を意識する間もなく唯々それぞれの作品に見入ってしまった。できる事なら毎日でも行きたくなる程の充実した展覧会であった。

この施設の一階には昭和二年に建てられ、現存しているという「さや堂ホール」なるものがあり、エレベーターを待っているとそこからルネサンス風のポリフォニーが聞こえてきた。エレベーターを待つBGMとしてはあまりに贅沢に思えたので少し様子を窺うと、コンサートのためにモンテヴェルディのマドリガーレを練習していたようである。千葉市美術館恐るべし。

千葉市美術館


千葉の街で気になったものを二つ。

刃物 フルカワ → `hp
明治22年創業の刃物専門店。包丁作りや刃物の研ぎ方教室を開催したり、個展や販売などのイベントに使用できるスペースを二階に設けてある老舗らしからぬアクティヴな姿勢にとても惹かれる。

Chiba Central Tower → `hp
一転、工事現場にでかでかと輝く“Chibaxective(ちばぜくてぃぶ)"の文字。このギャグセンス、さすがです。

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