2007年7月14日土曜日
うるしの道展/現代根付彫刻展@シブヤ西武
シブヤ西武のB館8階の美術画廊で、漆と根付彫刻の展示会兼即売会を同時に開催していたので観にいく。しかし土曜の夜の渋谷だってのに西武B館内には相変わらず人がいない。美術画廊なんてそれに輪をかけてである。まあ逆に言えばゆっくり見られるわけだが。
こうした百貨店の展示会というのは、殆どのばあい普通の人には買えないような代物を陳列しているので、妙なギスギス感が無くて良い。しかもオレみたいな見るからに金の無さそうなガキに対しては完全に放牧状態である。もちろん、触るなよ・壊すなよという目でジロジロ見てくる輩も時々いるが、大抵は訊けば普通に答えてくれるし、人のいい係員だと展示物を一つ々々懇切丁寧に教えてくれたりするのだ。そして今回もうれしい事に後者のパターンだった。
根付彫刻の作品は初めて見た。いやはや、こうして職人の技を目の当たりにするともう言葉が出ない。「どうぞ手にとって見てください」「え、いいんですか?!では…うわー細かいですねえ」「ええ」「うわーすげえなマジで…」会話ももうこんな程度である。
根付とは巾着袋などを着物の帯に紐で提げるときに使う留め具のようなもので、今で言うストラップ(係員さんの受け売り)に近い。饅頭根付や差根付(名前は今日知った)は見たことがあったが、こうした実用さを念頭には置いてない芸術作品としての根付は知らなかった。
しかし話によると国内より海外でのほうが人気も評価も高いらしく、かなりの数の根付が日本から流れてしまっているという。こうした事はとても残念だ。無論、自分もこれほど素晴らしい彫刻芸術を今まで知らなかったことは恥ずべきことである。
そして漆。これもまた尋常じゃない“黒”。光がどこまでも深く入ってくような、それでいて表面では反射もしている、不思議な黒。今回は輪島の漆であった。ほかの地域に比べ工程数が多く複雑との事である(だからより優れているという話ではない)。どう違うかは自分で調べ、実物を見るべきだろう。多分おれにゃ違いがわからんだろうが…それと漆は水を吸う、故に漆のお櫃に炊いたご飯をしばらく入れておくと、米がちょうど良い按配になり美味しくなるのだそうだ。鰻重などの重箱も本来はそうした目的で使われていたのに、最近は重箱に似せてプラスチック塗装された容器が多く使われていて残念だ。と説明してくれた人が嘆いていた。
この漆の話もそうだけど、今の時代似せて作られたものは身近に溢れていても、いざ本物(ここでは似せたものの元のモノという意)はなかなか使わないし、アクセスもしづらくなっている。だからこそ若いうちからなるべく多く、そうした“本物”に接するべきではないかと思う。
プラスチック塗装と漆を塗ったものの見分けもつかないなんて何か格好悪いしね。
ともかく展示数も多く、作品にも直に触ることができたので満足だった。
~イベント情報~
~シブヤ西武~
ps.写真は上記展示会とは関係ありません
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