のうのう七夕コンサート
~越天楽 - えてんらく~ 能と雅楽の競演
【番組】
-第一部 伝統と創造の響き-
能 謡と笛による『梅枝』
雅楽 春鶯囀「遊声・急声」
朗詠「二星」より「一越調調子」へ
-第二部『越天楽』-
能『梅枝~越天楽』より祭囃子
雅楽『越天楽』
先日散歩途中に見つけた能楽堂で、能と雅楽の公演が行われるというので、友人を連れ立って観に行ってきた。
実際に中に入ったのは初めてで、能楽堂の入り口の前に観世さん家の玄関があることや、外からは想像もつかないような広さの立派な能舞台などに感動しっぱなしであった。国立能楽堂にはない趣深さもある。
演目は上記の通り、能と雅楽を交互に楽しめる内容だった。雅楽の演奏者は先週観に行った伶楽舎からの四人に能管の一噌幸弘さんが入ったり入らなかったりして、最高でも五人である。小編成の雅楽は聴いたことがなかったが、その分邦楽器それぞれの音色や響きの個性だったり、強さ・繊細さなどが、(席が舞台から近かったというのと相まって)今迄以上によく聴くことができた。能面と能装束を纏って行う演目は二部の能ひとつだけであり、それも抜粋という形であったが、これも短いために最初から最後まで集中して観ることができた。何とはなしに美しいな、と思えただけ若干の進歩か。
一噌幸弘さんはよくピットインに出ているようなので、名前は見たことがあった。今回は能に雅楽に大活躍で、特に最後の越天楽途中の独奏は、真横から観ていたのもあり、何かとてつもない敵に向かっていく猛虎の如き迫力があった。途中クラシカルになろうが(*)、お囃子風旋律の恐ろしい速弾きに移ろうが、それは全てが一噌さんの尋常ではない即興にまとめられ、その形相と共に強烈な印象として残る。これは即興主体の公演も観に行かねばなるまい。
(*)…途中でバッハのポロネーズ(管弦楽組曲第2番から)のフレーズも飛び出した。
話は変わって観世喜正氏監修のもと、謡と仕舞の稽古を9日から月2回のペースで開かれるそうである。全11回ずつでテキストも入れるとそれぞれだいたい3万円。これは悩む。両方で3万円だったら間違いなく申し込んでいたのに。学生としての本分も考えつつ、一晩悩むことにしよう。
ps.矢来能楽堂は本当に素晴らしいところなのでぜひ一度足を運んでみてほしいと思う。
ps2.七夕という事で神楽坂周辺は浴衣を着た女性が多かった。ただ連れの男といったらこちらはほとんどジーパンルックである。せっかくの彼女の心遣い・心意気を何で汲み取ってあげないのか、自分ひとりの格好に比べ、並んで歩く際の不釣合いさには関心は向かないのか。確かに彼女のドッキリだった場合もあるだろうが、男なら、というより日本人なら和装の一つくらい持っていてもいいんじゃないかと思う。
“観世九皐会 かんぜこむ”
“isso_map (一噌幸弘氏HP)”
0 件のコメント:
コメントを投稿